第129回 日商簿記2級

第129回 日商簿記2級 出題予想

商業簿記

第1問  仕訳問題

 第1問は伝統的に仕訳問題です。ここでは、特殊商品売買、固定資産、社債、有価証券等は頻出論点になりますので、もう一度、テキストの例題、宿題プリント等をしっかり確認しておきましょう。
特に社債、剰余金の配当、繰延資産といった会社法の施行により処理内容が変更になった論点はしっかりチェックしておきましょう。

 

第2問 
1. 特殊仕訳帳(試算表作成)
2. 特殊仕訳帳(帳簿への転記)
3. 伝票

 第2問は、第1予想として特殊仕訳帳の試算表作成をあげました。
 特殊仕訳帳の試算表作成は第2問のなかで一番出題率の高い論点ですので、試験までにしっかり対策を講じておきましょう。
対策として、従来の出題パターンである試算表作成を練習しておくのはもちろんのこと、特殊仕訳帳の記入金額が空欄になっていて推定させる問題についてもしっかり練習しておきましょう。
 対策としては、109回、111回はいずれも資料の特殊仕訳帳の記入金額が空欄になっていて推定させる問題になっておりますので、試験までに、109回、111回は一度解いておく必要があるでしょう。
 また、特殊仕訳帳の記入金額が空欄になっていて推定させる問題も十分対策を講じておくようにしておきましょう。類題として、114回、118回、122回と出題されております。そのなかでも、118回の類題は要注意です。
 これらの問題を解くときのポイントは二重仕訳を書き出しながら解くことが大切です。
 二重仕訳をしっかり考えながら、これらの問題を解くようにしてください。

 第2予想として特殊仕訳帳の帳簿への記入をあげました。
 特殊仕訳帳への記入、また特殊仕訳帳から総勘定元帳に転記するといった問題が103回、113回と出題されており、10回に1回のペースで出題されております。113回から出題されておりませんので、試験までに一度解いておくようにしましょう。対策としては、103回を一度解いておきましょう。

 第3予想として伝票をあげました。
 伝票は前回出題されておりますが、連続出題されることが最近、続いております。ですから必ず試験までに確認しておきましょう。
 推定の場合は1つの計算ミスで連鎖的に間違えてしまうということがありますので、ケアレスミスしないように注意しましょう。
 また、伝票問題で、102回に伝票の枚数を数えるという問題が出題されたことがあります。それ以来、伝票の枚数を数えるという問題は出題されたことがありませんから、試験までに102回の問題を解いておく必要があります。

 

第3問
1. 本支店会計
2. 財務諸表
3. 三勘定

 
 第3問は、第1予想として本支店会計をあげました。
 本支店会計は、第3問では一番、出題率の高い論点になりますので、十分、対策を練っておく必要があるかと思います。類題として105回、109回は抑えておく必要があるかと思います。
 本店より仕入勘定と支店へ売上勘定、本店勘定と支店勘定や未達取引の金額などを推定される問題などは試験まで必ず一度解いておきましょう。
 また、商品評価損、棚卸減耗費が計上される問題が長い間出題されておりません。類題として、第98回は一度解いておくとよいでしょう。

 第2予想に財務諸表の作成をあげました。
 財務諸表の作成では、118回に貸借対照表の作成が、122回に損益計算書の作成が出題されておりますが、最近ではそれほど間隔を空けずに出題ということもありますので、十分対策を講じておく必要があります。
対策としては、貸借対照表は118回を、損益計算書は110回、122回を試験までに一度解いておくようにしましょう。

 第3予想に三勘定(損益勘定・繰越利益剰余金勘定)の作成をあげました。
 第116回より、会社法の適用によって、未処分利益勘定・繰越利益勘定がなくなり、繰越利益剰余金勘定になりました。
 そういった関係上、出題も108回からされておりません。今回、変更にともなって、そろそろ出題される可能性があります。
 ですから、必ず試験まで108回の類題を解いておく必要があります。
 また、損益勘定・繰越利益剰余金勘定の作成の場合、株主総会のさいの剰余金の配当の仕訳をもう一度確認しておいてください。
 損益勘定・繰越利益剰余金勘定作成の問題を解くとき、法人税等の税率が40%の場合、そして中間納付がある問題の場合も想定して問題を解くようにしておきましょう。

 

 
工業簿記
 
第4問 
1. 製造原価報告書
2. 本社工場会計
3. 費目別計算

 第4問は、第1予想として製造原価報告書をあげました。
 製造原価報告書は118回、121回に出題されております。
 ここ最近第4問では、勘定記入もしくは仕訳問題が出題されております。ですから、今回は製造原価報告書の作成を予想しました。
 ここでは、材料、賃金、経費の消費額の計算がしっかりできること、直接費と間接費の分類、また、さらに間接費は間接材料費、間接労務費、間接経費の費目別の分類もできるようにしておきましょう。

 第2予想として本社工場会計をあげました。
 本社工場会計は101回、112回、119回に出題されております。112回、119回ともにそれほどボリュームがなく比較的難易度の低い問題でした。対策としては、試験までに一度101回の問題を解いておきましょう。

 第3予想として、費目別計算をあげました。
 材料費、労務費、経費の各原価要素から仕掛品勘定、製造間接費勘定、製品勘定への記入させるという問題が出題される可能性があります。こういった問題を解くためには、材料費、労務費、経費について直接費と間接費の分類がしっかりできるようにすること、そして、さらに間接材料費、間接労務費、間接経費のなかには具体的にどういったものがあるのか(例えば、耐用年数1年未満の消耗工具は間接材料費)もできるようにしておくとともに、予定配賦も含めた勘定の流れを理解することが大切です。対策としては、試験までに113回を一度解いておくようにしましょう。
 

第5問 
1. CVP分析
2. 総合原価計算
3. 部門別個別原価計算

 第5問は、第1予想としてCVP分析を予想しました。
 CVP分析は108回、114回、117回、124回に出題されております。
 また117回に出題されたときに生産量と販売量が同じではないという問題が出題されました。そのため、117回の問題では、単位当たりの変動製造原価と変動販売費を算出するあたり、少し戸惑うような問題でした。
 また、114回のときは文章になかに適切な数字もしくは語句を埋めるという問題でした。
 このように、直近のCVP分析の問題では、何らかの変化がある問題が出題されており、今回もこれまでにない出題パターンの形で出題される可能性があります。

 したがって、まずは基本である損益分岐点売上高(販売量)、目標利益を獲得するための売上高(販売量)や安全余裕率などについては確実にできるようにしておかなければなりません。また、単位当たりの販売価格、単位当たりの変動費や固定費の金額が資料より変更になるという問題も過去に出題されたことがありますので、そういった問題も試験までに一度は解いておくようにしましょう。
 また、高低点法にて単位当たりの変動費と固定費に分解したあと、CVP分析させるという問題も予想されます。そういった問題の場合、最初の時点で計算間違いなどのケアレスミスをしてしまうと全滅という結果になりますので、本試験では必ず計算間違いしていないかどうか見直しをしながら次の問題に進むようにしましょう。
また、117回、124回は直接原価計算の損益計算者と絡めて出題されております。
 ですから、直接原価計算と全部原価計算の損益計算書の違いなども踏まえながら学習を進めるようにしましょう。


 第2予想として総合原価計算をあげました。
 総合原価計算は、118回に等級別総合原価計算、119回に工程別総合原価計算、121回に組別総合原価計算、122回に総合原価計算、123回に工程別原価計算、125回に単純総合原価計算、128回に等級別総合原価計算とかなり高い確率で出題されておりますので、今回も十分対策を講じておく必要があります。仕損・減損を含めてしっかり確認しておきましょう。
 また、その中でも組別総合原価計算を十分対策を講じておくようにしましょう。
 また、当月製造費用の素材費、加工費の金額を各自で計算する場合もあります。対策として96回を試験までに一度解いておくとよいでしょう。


 第3予想して、部門別原価計算をあげました。
 部門別原価計算は108回、111回、116回、123回に出題されており、そろそろ出題されてもいい時期です。直近では、いずれも直接配賦法が出題されております。したがって、直接配賦法を確認しつつ、相互配賦法もできるようにしておきましょう。

 部門別原価計算は、配賦表、仕訳、勘定記入は連動していますので、3つをしっかり関連付けて、部門の全体像を把握した上で、細かい枝の部分(相互配賦法や製造部門の予定配賦等)を学習するようにするとどんな問題にも対応できます。ですから、この問題は勘定連絡図のどこの部分が問われているかということを把握しながら問題を解くようにしましょう。


最後に、上記に述べたのはあくまでも予想です。理想は満遍なくできることです。ですが、本試験まで限られた時間しかありません。よって、あまり学習が進んでいない方は上記の予想を参考にしながら本試験まで学習を進めてください。