まず第1問から述べます。今回の仕訳問題は、難易度の高い仕訳もなく問題集等をしっかりこなしておけば20点を狙えたかと思います。仕訳は日々の積み重ねですから、できなかった方、間違えた方はもう一度ワークシート、問題集でしっかり見直してみてください。
第2問は、有価証券関係の計算問題でした。この問題は新傾向で戸惑った方も多かったのではないでしょうか。
ここは、売買目的有価証券、満期保有目的債券、社債の関係を示したワークシートがあったと思います。その部分がまずはしっかり頭に入っているかどうか大きなポイントになったと思います。
今回の第2問は難しいように感じるかもしれませんが、ワークシート、テキストレベルでも十分解ける問題だったと思います。ですから、できなかった方はもう一度ワークシート、テキスト等でしっかり復習してみてください。
また、今回の第2問の出題から「パターン学習ではなく、基本、基礎をしっかり身に付けなさい」という出題者の意図を感じました。今後、第2問は伝票、特殊仕訳帳以外にも出題される予感を感じさせる、そんな問題だったと思います。
第3問は、予想通り精算表でした。試用販売、期末商品以外は容易で、それほど難しくなかったと思います。
110回にも特殊商品売買を絡めて決算問題が出題されており、今後も特殊商品売買に絡めた決算問題が出題される可能性を示した問題でした。というわけで、特殊商品売買を苦手にされる受験生も多いかと思いますが、まずは基本に忠実にワークシート、テキストで仕訳の流れをしっかりおさえることが、そういった問題への対応策になるかと思います。
続いて工業簿記です。
第5問は総合原価計算でした。これは、本当に予想通りでした。しかも原価計算表の作成でした。総合原価計算は、よその予想では高くなかったわけですが、個人的に第5問の原価計算表作成の総合原価計算は106回以来、出題されていなかったので、今回出題を予想していました。第5問は、私の予想に頼っていた方は満点を取れたかと思います。
第4問は、本社工場会計でした。これも第5問との絡みからいえば予想通りでした。というのも、第5問で原価計算表の総合原価計算が出題された場合、第4問は製造原価報告書か本社工場会計の出題に絞られるため、ある意味予想通りだったかと思います。
今回の本社工場会計は、内部利益もなく、仕訳自体は容易だったかと思います。ただ、指定された勘定科目に製品勘定がなく戸惑った方も多かったのではないでしょうか。また、仕訳問題の場合、指定された勘定科目を解答用紙にきちんと書かないとバツになりますので、そのあたりをきちんと書けたかどうかもポイントになったかと思います。
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