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第121回日商簿記 2級 (H21年2月検定) 予想

商業簿記

第1問 仕訳問題

第2問
1. 伝票
2. 特殊仕訳帳
3. 個別論点

第3問
1. 精算表
2. 損益勘定・繰越利益剰余金勘定
3. 損益計算書

第1問は伝統的に仕訳問題です。ここでは、特殊商品売買、固定資産、社債、有価証券等は頻出論点になりますので、もう一度、テキストの例題、宿題プリント等をしっかり確認しておきましょう。
特に社債、剰余金の配当、繰延資産といった会社法の施行により処理内容が変更になった論点はしっかりチェックしておきましょう。

 第2問は第1予想として、伝票をあげました。伝票は前々回出題されておりますが、空欄問題になると106回以来出題されておりませんので、伝票の空欄作成は必ずおさえておきましょう。
 また、伝票問題で、102回に伝票の枚数を数えるという問題が出題されたことがあります。それ以来、伝票の枚数を数えるという問題は出題されたことがありませんから、試験までに102回の問題を解いておく必要があります。


第2予想として、特殊仕訳帳の試算表作成をあげました。
前回も特殊仕訳帳の試算表作成でしたが、過去にも2回続けて出題されたこともありますので、十分対策を講じておく必要があるかと思います。
従来の出題パターンである試算表作成を練習しておくのはもちろんのこと、特殊仕訳帳の記入金額が空欄になっていて推定させる問題についてもしっかり練習しておきましょう。
対策としては、109回、111回はいずれも資料の特殊仕訳帳の記入金額が空欄になっていて推定させる問題になっておりますので、試験までに、109回、111回は一度解いておく必要があるでしょう。
また、特殊仕訳帳への記入、それから特殊仕訳帳から総勘定元帳に転記するといった問題を試験までに一度解いておくようにしましょう。対策としては、103回を一度解いておきましょう(今回は特に注意を要します)。
 また、特殊仕訳帳(帳簿)からの試算表作成は出題されておりませんので、そちらも十分対策を講じておくようにしましょう。


第3予想として、個別論点をあげました。第2問の出題といえば伝票もしくは特殊仕訳帳が主流ですが、過去に107回では固定資産、112回では有価証券と社債といった個別論点が出題されたことがあります。
固定資産、有価証券と社債、特殊商品売買などもう一度テキストを見直すなどして基礎・基本を確認しておきましょう。特に売買目的有価証券と満期保有目的債券の違いと共通点、また両者の評価方法、社債の発行側の処理方法をしっかりできるようにしておきましょう。
また、個別論点を解くカギは、きちんと仕訳ができるかどうかになります。ですから、もし個別論点が出題された場合は、問われている問題に対して、しっかり仕訳を書き出して解くようにしましょう。

それから、予想にはあげておりませんが、商品有高帳も練習しておきましょう。商品有高帳は100回以来出題されていないため、試験までに、テキストの例題で十分ですので、総平均法、後入先出法はマスターしておくようにしておきましょう。


 第3問は、第1予想として精算表をあげました。
第3問は本支店会計と精算表の2つが出題率が高いのですが、前回本支店会計が出題されたため、今回は精算表という可能性が高いです。
精算表の場合、未処理事項および決算整理事項を1つ1つ解いていかなければならず、思った以上に時間が係る場合があります。ですから、時間配分に気をつけ、解答用紙をしっかり埋めることを心がけ、部分点を狙っていくようにしましょう。
また、過去に精算表が出題されたときに特殊商品売買(試用品)が出題されたことがあります。ですから、特殊商品売買を含め、今一度テキストで基礎・基本を見直すようにしておきましょう。
それから、精算表の場合、売上原価の計算がいつもの「仕入の行」で計算するという場合ではなく、「売上原価の行」で計算するという場合も考えられます。最近、3級の試験で、この「売上原価の行で売上原価を計算する」という問題が立て続けに出題されましたので、2級受験者も「売上原価の行で売上原価を計算する」をしっかり確認しておく必要があるでしょう。


第2予想に、損益勘定・繰越利益剰余金勘定の作成をあげました。
第116回より、会社法の適用によって、未処分利益勘定・繰越利益勘定がなくなり、繰越利益剰余金勘定になりました。
そういった関係上、出題も108回からされておりません。今回、変更にともなって、そろそろ出題される可能性があります。
ですから、必ず試験まで108回の類題を解いておく必要があります。
また、損益勘定・繰越利益剰余金勘定の作成の場合、株主総会のさいの剰余金の配当の仕訳をもう一度確認しておいてください。
損益勘定・繰越利益剰余金勘定作成の問題を解くとき、法人税等の税率が40%の場合、そして中間納付がある問題の場合も想定して問題を解くようにしておきましょう。

 
第3予想として損益計算書をあげました。
損益計算書の作成は104回、110回に出題されました。110回以来少し間が空いておりますので、そろそろ出題されてもいい時期かと思います。試験までに、110回は一度解いておく必要があるかと思います。
 また、110回では、特殊商品売買に絡んだ問題が出題されましたので、特殊商品売買の仕訳、特に未着品売買、試用販売、委託販売といった手許商品区分法の仕訳は確認しておく必要があるでしょう。
  

工業簿記
第4問
1. 仕掛品勘定
2. 損益計算書の作成
3. 材料副費・賃金等

第5問
1. 直接原価計算・CVP分析
2. 総合原価計算(組別)
3. 部門別原価計算


第1予想として、仕掛品勘定の作成をあげました。前回の第4問が仕訳問題でしたので、今回は勘定記入という可能性があります。その場合、「製造原価報告書から仕掛品勘定させる」といった問題や総合原価計算において仕掛品勘定の作成、また個別原価計算での仕掛品勘定の作成など、さまざまなパターンで出題することができます。また、仕掛品勘定の作成だけでなく、製品勘定や製造間接費勘定や各原価要素の勘定記入の出題の可能性がありますので、T形の勘定記入の問題をしっかり練習しておくようにしましょう。 
また、製造原価報告書もしくは損益計算者から各原価要素別、仕掛品勘定、製品勘定への記入という問題も予想されます。
対策として105回、106回を一度解いておくといいでしょう。

第2予想として、損益計算書の作成をあげました。
損益計算書の作成は、115回、118回に出題されました。
損益計算書の作成の場合、勘定の流れをしっかり把握しておくことが大切になります。また、材料、労務費、経費の各原価要素ごとに直接費、間接費に分類ができるようにしておくとともに、販売費と一般管理費の分類もできるようにしておきましょう。
それから、総合原価計算とからめて損益計算書の作成ということも考えられます。その場合、平均法、先入先出法とともに後入先出法もしっかりマスターしておきましょう。
あとは、原価差異の処理方法も合わせて確認しておきましょう。

第3予想として、材料副費・賃金等をあげました。
前回、前々回と第4問は仕訳問題が出題されておりますので、仕訳問題は出題されないような気もしますが、材料副費については114回以来出題されておりません。
また、材料副費については過去に107回、110回、114回に出題されておりますが、110回、114回はそれほど計算量が多くない問題でした。したがって、107回に出題されたときぐらいの計算量の問題を一度解いておくなど十分対策を講じておく必要があるかと思います。

 第5問は、第1予想として、CVP分析を予想しました。
 CVP分析は108回、114回、117回に出題されておりますが、117回に出題されたときに生産量と販売量が同じではないという問題が出題されました。そのため、117回の問題では、単位当たりの変動製造原価と変動販売費を算出するあたり、少し戸惑うような問題でした。
 また、114回のときは文章になかに適切な数字もしくは語句を埋めるという問題でした。
 このように、直近のCVP分析の問題では、何らかの変化がある問題が出題されており、今回もこれまでにない出題パターンの形で出題される可能性があります。
したがって、まずは基本である損益分岐点売上高(販売量)、目標利益を獲得するための売上高(販売量)や安全余裕率などについては確実にできるようにしておかなければなりません。また、単位当たりの販売価格、単位当たりの変動費や固定費の金額が資料より変更になるという問題も過去に出題されたことがありますので、そういった問題も試験までに一度は解いておくようにしましょう。
 また、高低点法にて単位当たりの変動費と固定費に分解したあと、CVP分析させるという問題も予想されます。そういった問題の場合、最初の時点で計算間違いなどのケアレスミスをしてしまうと全滅という結果になりますので、本試験では必ず計算間違いしていないかどうか見直しをしながら次の問題に進むようにしましょう。

 第2予想して、組別総合原価計算をあげました。
 総合原価計算は、118回、119回と出題されておりますので、今回の出題はないだろうと予想されるかも多いかもしれませんが、工業簿記では一番出題率の高い論点ですので、仕損・減損を含めてしっかり確認しておく必要があります。
 また、当月製造費用の素材費、加工費の金額を各自で計算する場合もあります。対策として96回を試験までに一度解いておくとよいでしょう。
 

 第3予想として、部門別原価計算をあげました。
部門別原価計算は108回、111回、116回に出題されておりますが、いずれも直接配賦法が出題されております。したがって、直接配賦法を確認しつつ、相互配賦法もできるようにしておきましょう。
部門別原価計算は、配賦表、仕訳、勘定記入は連動していますので、3つをしっかり関連付けて、部門の全体像を把握した上で、細かい枝の部分(相互配賦法や製造部門の予定配賦等)を学習するようにするとどんな問題にも対応できます。ですから、この問題は勘定連絡図のどこの部分が問われているかということを把握しながら問題を解くようにしましょう。
 また、99回に総括配賦率と部門別配賦率という問題が出題されたことがあります。
 総括配賦率とは何か、部門別配賦率とは何かということをおさえるとともに、総括配賦率と部門別配賦率の計算方法もしっかりできるようにしておきましょう。
 それから、108回に製造部門の差異分析が問われた問題が出題されました。したがって、製造間接費の差異分析(予算差異と操業度差異)もしっかりできるようにしておきましょう。また、そのさい公式法変動予算と固定予算の両方ともマスターしておきましょう。

 最後に、上記に述べたのはあくまでも予想です。理想は満遍なくできることです。ですが、本試験まで限られた時間しかありません。よって、あまり学習が進んでいない方は上記の予想を参考にしながら本試験まで学習を進めてください。

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